プラスチックのさまざまな試験を動画で紹介します。今回は「クリープ試験」についての解説です。
プラスチックのクリープ試験:PlaBase試験動画シリーズ
2022.03.07
この記事では…
(執筆:水野渡/富山県産業技術研究開発センター)
・使用機器
長期熱安定性評価試験機
・関連規格
JIS K 7115「プラスチック-クリープ特性の試験方法-第1部引張クリープ」
JIS K 7116「プラスチック-クリープ特性の試験方法-第2部3点負荷による曲げクリープ」
JIS K 7100「状態調節及び試験のための標準雰囲気」
JIS K 7161「プラスチック-引張特性の試験方法 第1部:通則
JIS K 7162「プラスチック-引張特性の試験方法 第2部:型成形、押出成形及び注型プラスチックの試験条件」など
1. クリープ試験
クリープ試験は耐久性(ものを長時間使用したときの力学的強度の変化)を評価する代表的な試験方法です。試験片に破壊しない程度の荷重を加え続けると、変形(引張り荷重であれば伸び)が起き、その後時間の経過とともに変形が進みます。このような現象を「クリープ」と呼びます。
クリープ試験は、一般的には荷重や試験温度を一定にして試験時間とひずみの関係を求めます(クリープ曲線)。クリープは、初期には荷重によって急激にひずみが増加しますが、その後ひずみの増加速度は減少します。さらに、荷重が高い場合にはひずみが再度増加して破断しますが、荷重が低い場合には、ひずみの増加がほぼ見られなくなります。また、試験の途中で荷重を除くとひずみはある程度回復しますが、元の形状には戻りません。

図1 一般的なクリープ曲線
2.試験機
長期熱安定性評価試験機は、恒温槽中で試験片に一定の引張や曲げ荷重をかけ、試験片の変形量を連続的に長期間計測する装置(クリープ試験機)です。試験片を固定する治具や変位計、荷重検出器などで構成されます。試験本数:6本、荷重範囲:30 ~ 3000N、変位検出範囲:0 ~ 25mm、試験温度範囲:~250℃です。
3.試験片
負荷方法(引張り、曲げ、圧縮)にあった試験片を使用します。試験片数は6本です。試験片の調整方法や熱履歴が試験結果に大きく影響する可能性があるので注意します。
4.試験条件
試験荷重、測定項目、試験温度・湿度、状態調節などを決定します。設計の目的に使用する場合には、荷重、期間、環境条件を幅広く取ります。
6.報告
試験片形状、試験荷重、測定項目、試験温度・湿度、状態調節などを報告します。
7.参考文献
・大阪市立工業研究所 プラスチック読本編集委員会 プラスチック技術協会共編、プラスチック読本、プラスチックス・エージ(2015)
・本間精一、プラスチック製品の強度設計とトラブル対策、NTS(2018)
(文責:富山県産業技術研究開発センター 水野 渡)
関連記事はこちら
水野 渡(みずの・わたる)
2024年 合同会社水野商会 代表社員、プラスチック成形(射出成形作業)1級技能士。
富山県下新川郡入善町下山(にざやま)出身。1987年に富山大学理学部を卒業後、富山県庁も入庁し、富山県工業技術センター(現:富山県産業技術研究開発センター)で、プラスチック関連技術の研究などに従事。

