プラスチックのさまざまな試験を動画で紹介します。今回は「キャピラリーレオメータ試験」についての解説です。
プラスチックの流れ特性試験:PlaBase試験動画シリーズ
2022.04.27
この記事では…
(執筆:水野渡/富山県産業技術研究開発センター)
・使用機器
キャピラリーフローテスター
・関連規格
JIS K 7199「プラスチック-キャピラリーレオメータ及びスリットダイレオメータによるプラスチックの流れ特性試験」など
1.キャピラリーレオメータ試験
射出成形のようなプラスチックの成形加工では、材料の溶融温度下で高速、高圧の樹脂流動が起きます。その際の溶融樹脂の粘度は、せん断速度に強く依存することが知られており、成形条件の確認や樹脂流動解析を行うためには成形加工条件に近い速度や圧力、温度における粘度試験が必要になります。
この試験では、熱可塑性樹脂等のペレットや粉末をバレル内で一定温度に加熱して溶融させ、その後バレル端のキャピラリー(細管)から一定の速度で押し出した時にかかる圧力を測定します。このときの関係から樹脂の粘度を求めることができます。押出速度を変えながら粘度を求めることで材料のせん断速度に対する粘度の関係が分かります。
一般的には、溶融温度を変えたときのせん断速度と粘度の関係をプロットすることで成形加工に必要な樹脂の流れ特性を評価することができます。また、測定時にキャピラリーから押し出された樹脂の直径を光学式センサーで測定してダイスウエル(バラス効果)の評価や、付属品によってメルトストレングス(溶融張力)の測定も行うことができます。

2.試験機
キャピラリーフローテスターは、バレル、ピストン、ヒーター、温度センサー、キャピラリーダイ、ロードセル、ダイスウエル検出装置、メルトストレングス測定装置などから構成されます。試験温度範囲:60 ~ 400℃、押出速度範囲:0.5 ~ 1000 mm/min、ロードセル容量:20 kN、ダイスウェル・メルトストレングス:測定可能 です。
3.試料
試験時の試料の流動性が残留モノマー含有量、ガスの巻き込み、湿気などで影響を受ける場合には適切な前処理や状態調節を行います。
4.試験条件
材料が熱平衡に達するまでの予熱時間や安定した測定ができる最大許容試験時間を決定します。キャピラリーダイの形状、測定温度、押出速度、粘度の計算条件などを決定します。
5.報告
前処理、状態調節、予熱時間、滞留時間、試験方法、試験温度、せん断速度、せん断応力、粘度、押出物の状態などを報告します。
6.参考文献
・大阪市立工業研究所 プラスチック読本編集委員会 プラスチック技術協会共編,プラスチック読本,プラスチックス・エージ(2015)
(文責:富山県産業技術研究開発センター 水野 渡)
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水野 渡(みずの・わたる)
2024年 合同会社水野商会 代表社員、プラスチック成形(射出成形作業)1級技能士。
富山県下新川郡入善町下山(にざやま)出身。1987年に富山大学理学部を卒業後、富山県庁も入庁し、富山県工業技術センター(現:富山県産業技術研究開発センター)で、プラスチック関連技術の研究などに従事。

